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執筆者の写真rika.asai

仔猫を里親さんへ譲渡するまで

前回のブログでお伝えした保護猫のミミララ

保護してから1か月、毎日沢山食べて沢山遊んで、保護した時の体重のちょうど2倍の大きさまで成長しました。顔つきもしっかりしてきて、今の環境にもすっかり馴染んでいた6月の始め、先輩ボランティアさんから、仔猫を里親として迎えたいと仰っている方を紹介して下さり、日曜日に面談する事が決まりました。当初はララだけという事だったので、紹介してくれた先輩ボランティアさんがわざわざ家まで迎えに来て下さり、ララだけを連れて新玉旅館へ向かいました。





少し早めに行って、私もララも心の準備を整えておきます。


私が持っているキャリーが小さかったので、先輩ボランティアさんが大きめのキャリーを貸してくれて、お水も用意して下さいました。これから何が起きるのか、何をされるのか、不信感丸出しなララの顔(笑)


程なくして、約束の時間に里親希望者さんが来て下さいました。

若くて綺麗な奥様と、中学生の娘さんのお二人です。


お話をしながら暫くキャリー越しに見ていたお二人。


抱っこしてみる?といってキャリーから出して、ララを娘さんのお膝の上に。

最初は緊張気味だったララも



娘さんが優しく両手で包んでくれて、ララは徐々に安心した表情になり、大人しく抱かれていました。今度はお母さんも抱っこしたり、ララの特徴や性格などを話して触れ合う時間が過ぎていきました。


その後お母さんが、どうする?と娘さんに訊ねると「ララちゃんがいい」って言ってくれたのです。お母さんは優しく頷き、娘さんの気持ちを尊重してあげていました。

この時、本当に胸がジーンとしたのを忘れません。

ララの幸せが一歩近づいた様なそんな気持ちでした。


この日はララだけを連れて行き、ララだけでも迎えてくれたら嬉しいしありがたいと思っていました。でもそこで、先輩ボランティアさんがミミの存在を話してくれたのです。

姉妹でずっと仲良く過ごしてきたから、ミミにも会って貰いたい、そして1匹より2匹の方が色んな面でメリットが大きい事を説明して下さいました。


そして急遽、私の家までミミを見に来てくれる事が決まったのです。



家に着き、お留守番していたミミを見て、今度はお母さんの方がミミを気に入って下さいました。いつも過ごしている部屋でミミとララが楽しそうに遊んでいる姿に、私も2匹一緒に迎えて欲しい!この子達を離れ離れにさせたくないという気持ちが強くなり、思いきりアピールすると、お母さんも娘さんもそんな私たちの思いを真剣に聞いて下さいました。ただ、当初は1匹だけという事だったので、ご主人に相談するという事で、また次回来て頂く事になりました。


里親希望者さんは、私にとって理想的なご家族で、このご家族にミミとララ一緒に迎えて貰えたら、本当に幸せになれると確信していました。

そんな風に思いながら迎えた1週間後。

我が家にまたお母さんと娘さんで来て下さり、しかもミミとララ一緒に連れて帰る心づもりでキャリーまで持参して来て下さったのです。

ご家族みんな、ミミとララ両方を受け入れてくれたんだと、私は心の底から感動してしまいました。


と同時に、ララが外耳炎の治療中だったのと、私自身の方が心の準備が出来ていなかったので、もう1週間だけ延ばして貰う事を伝えなければいけなくて、ガッカリさせてしまったのが申し訳なかったです。

それでも快く1週間待って下さり、次の日曜日、いよいよ譲渡の日を迎えました。


里親さんの自宅訪問を兼ねて、その場で譲渡契約を結ぶことになったので、ミミとララの身の回りの準備を整えたあと、フードを与え、顔の周りを丁寧に拭いて、時間が来るまで少しだけケージから出して一緒に遊びました。


こうやって一緒に遊ぶ姿を見るのも、今日で最後。保護したばかりの、酷い猫風邪を引いて寄生虫だらけで汚れていたこの子達が、こんなに綺麗に元気になって、今日こうして家族として迎えてくれる里親さんの元へと旅立つ、晴れの日なんだと思いながらも、それでも何となくまだ実感が湧かないまま、先輩ボランティアさんが早めに迎えに来てくれました。


約束の時間よりかなり早く着きすぎてしまったにも関わらず、里親さんは気持ちよくご自宅の中へ招いて下さいました。周りは緑の多い、静かで自然豊かな場所で、中へ入るとお父さんとお兄ちゃんも出迎えて下さり、広いお庭の見える明るい縁側に、大きなケージを用意して下さっていました。



ララは暫く緊張気味でじっとしていましたが、ミミは早速ケージ内を探検して動き回っていました。物怖じしないミミと一緒なら、ララも心強くすぐ環境に慣れるだろうなと感じました。


今までお世話していた私から、里親さんへの引継ぎの話をして、正式に譲渡契約を結びます。お母さんは真剣に誓約書に目を通しながら、署名と印を押してくれました。


晴れてミミとララは、里親さんのお家の飼い猫となりました。


ミミ、ララ

保護して1か月の間、お世話出来た時間がとても幸せでした。

これから里親さんの元で幸せになってね。

そして、里親さんご家族をたくさん笑顔にしてあげてね。


しかし私達ボランティアは、譲渡したからこれでおしまいというわけではありません。

里親さんや保護猫ともにサポートしていき、これから先もずっと、一緒に成長を見守りたいと思っています。


譲渡が無事に済み家へ帰ると、ミミとララのいた空っぽのケージに西日が射していました。

暫くは切なく寂しい気持ちが続くと思います。

でもウチには6匹のヤンチャで可愛い過ぎる先住猫がいますから、寂しいなんて言ってられません。(笑)


こうして本当にスムーズに譲渡が決まり、ミミとララが幸せになれたのも、新玉旅館の女将さんやボランティアさんを始め、家族や身内や友人、そのまた友人や知人など。沢山の方のご協力のお蔭でした。

そして里親さん探しの声掛けでは、ミミララの兄妹猫のカンちゃんを里親に迎えたいという方へと繋がりました。


ボランティアさんの中には、大変だったら預かるよと言ってくれたり、フードを持ってきてくれたり爪を切ってくれたり、皆さんの優しさが本当に身に沁みました。本当に本当にありがとうございました。


それから今回、ミミとララの為に里親希望者さんを紹介して頂き、何もわからない私に譲渡までの基本を丁寧に教えてくれて、お忙しい中、面談の送り迎えや病院の付き添い、そして譲渡契約に至るまで一緒にいて下さった先輩ボランティアさん、本当に心強かったです。

この場を借りて改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。ありがとうございました。


月齢の低い仔猫を保護してお世話した事、そして里親さんとの面談から譲渡契約まで、私には初めての経験ばかりで、今まで客観的に見てきてわかったつもりでいた事でも、経験しなければわからない事がたくさんあって、今回は本当に勉強になりました。


その中でも一番大切なのは、猫と人だけではなく、人と人との信頼関係も築く事だと教えられました。それからしっかりと愛情を込めてお世話していれば、焦らなくてもちゃんと愛してくれる里親さんに巡り合えるという事も。譲渡会が開けなかったこの数か月の間にも、先輩ボランティアさんがお世話しているチコちゃんマコちゃん、そしてマシュ君にも、最高の里親さんに巡り合えたと仰っていました。


今後もまだまだ譲渡会再開の目処は立っていないので、引き続き保護猫ちゃん達の為に、これからも一匹でも多くの猫を幸せにできるよう、ボランティアとして精一杯精進して参りたいと思います。

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