top of page

レン君とファン君が幸せになれるまで

レン君とファン君は、5月の半ばに他の兄妹合わせて5匹で保護された仔猫です。

段ボールの中に居たこの子達は、この時生後約10日程。母親のお乳も飲めてない状態だったので、免疫力も低く、かなり衰弱していました。栄養価の高いミルクをシリンジで数時間おきに与え、何度も病院に通い、投薬をして献身的にお世話をしてきた保護主さん。当時はやはり、とても大変だったそうです。





生後1か月頃のレン君&ファン君。女の子の様な顔立ちが印象的でした。


7月下旬には、一足早く兄妹猫のミン君シン君ジェリーちゃんの里親さんが決まり、賑やかだった5匹兄妹の部屋が寂しくなった頃、ナイティーとフォレストが仲間入り。お兄ちゃんらしい仕草を見せながら仲良く遊ぶ姿に、日々成長を感じていました。


「いいか、こうやって膝にスリスリしたり乗ったりするんだぞ」とナイティーとフォレストにお手本を見せるレン君。そしてあまり聞いていないナイティーとフォレスト



9月の半ば、里親さん希望の若いご夫婦からお問合せがあり、早速面談に来て頂きました。夫婦共働きで日中は家にいない事も多いそうなので、寂しくないように二匹同時に猫を迎えたいというご希望でした。


てんてん&たいちゃんにしようか、ナイティー&フォレストにしようか、レン君&ファン君にしようか、プロフィールでは最初迷っていましたが、レン君が早速ご主人の膝の上に乗ってゴロゴロ言い始めました。その時点で既にご主人はレン君にメロメロになったようです。


そんなご主人は以前から、外で暮らす見知らぬ猫からいきなりピタッと足にすり寄られたり、段ボールに入った捨て猫を見つけてしまったりと、連れて帰りたい衝動にかられる場面に度々出くわしていたそうです。


しかしこれまでに猫を飼った経験がなく、今ここで可哀想だからと連れて帰った所で、自分たちに一から育てていく自信もないなら返って猫を不幸にしかねない。ご夫婦で話し合った結果、それなら保護猫を里親として迎え入れ、保護主さんに教えて貰いながら飼育方法を学び育てていきたい、そしてその経験を積み重ねて、いつかまた同じように捨てられている猫に遭遇した時に、救ってあげられる存在になりたい。と、こう仰って下さったのです。


私は冷静に話を聞きながらも、何て素晴らしい考え方なんだー!!!と心の中で叫び、感動しまくっていました。本当に素晴らしい選択肢だなと思います。

何故ならレン君ファン君も段ボールに入れて捨てられていたのだから、それをご自分たちの出来る最善の方法で救ってくれた事に違いありません。

私たちにとっては、保護猫の里親さんになって下さる事が、地域猫活動に貢献して下さる最高の支援であり、だからこそ、捨てられている猫は経験あるものが救い、譲渡できるまでに私たちがお世話を頑張り、里親さんに繋げなくてはと改めて思ったのでした。



ご夫婦とフィーリングが合ったレン君とファン君、一週間後にトライアルが決定しました。


トライアル当日、夕方の出発までの間、この日は私もゆっくりと猫部屋で過ごしました。いつもならそれぞれハチャメチャに遊んでるナイティとフォレストやレン君ファン君が、この日はみんなで寄り添い、何度も何度もお互いに毛繕いをし合っていました。


お兄ちゃん、出発前に身だしなみだよと言ってるような…元気でな、お前たちも幸せになれよと言ってるような…この日がお別れの日だと感じていたような気がして、そんなちょっと切ない時間が流れていきました。



約束の時間が来て、いよいよトライアルの為に出発です。

車で7分程行ったご夫婦のご自宅は、別府湾が一望できるとても素敵なお部屋でした。


トライアル中のレン君とファン君。初日の夜は鳴いたそうですが、その後はすぐに馴染んでくれたそうです。可愛い器に盛ったカリカリを食べやすい高さに置いて下さり、満足そうに食べています。


一週間ほど過ぎて、ご夫婦は里親さんになる決心が付いたようで、晴れて10月1日のこの日、譲渡契約を結ぶ運びとなったのです。


契約書に目を通すご主人とレン君


この日、久しぶりに会った二匹はとてもリラックスしていて、お気に入りの定位置があったりと、もうすっかりこのお家の猫になっていました。

少し控え目で大人しかったファン君も、夜になると二匹で運動会を繰り広げる程活発になっているようです。本当に安心しました。



譲渡後、奥様から、レン君ファン君は出会うべくして出会った子だと言って下さいました。

ありがたいお言葉でした。この瞬間に立ち合えた事に幸せを感じています。

若くて素敵なお父さんとお母さんが出来たレン君とファン君。

里親さんになって下さり、本当に感謝しています。ありがとうございました。


保護主さんもここまで来るのにどんなに大変だったとしても、こうやって保護猫が幸せになってくれたら全てが報われます。今現在里親さんを募集している保護猫たちにも、こんな風に早く幸せになれる日が来る事を願っています。


レン君ファン君、おめでとう!いつまでも幸せにね。



bottom of page