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【新玉旅館】猫が80匹いる理由【にゃんたまサポーター募集】

執筆者の写真: rika.asairika.asai

今回は新玉旅館を応援する「にゃんたまサポーター」募集のお知らせです。

その前に新玉旅館の事や、どうして旅館に80匹も猫がいるのか、どこから来たのか、その経緯や理由を知らない方の為にも、少し長くなりますが時系列でお伝えさせて頂きます。


 

新玉(あらたま)旅館とは

大分県別府市にある浜脇温泉は、別府八湯の一つに数えられる温泉郷です。海岸に近く、浜に湯が湧き出る事から浜脇と名付けられ、その温泉街に佇むのが、創業から100年の歴史を誇る老舗旅館、新玉(あらたま)旅館 です。




新玉旅館の3代目女将を務めるのが、後藤 藤恵女将



現在、弟さんと二人三脚で旅館業を営んでいます。


浜脇には古き良き時代の名残りがあり、昔ながらの小さな商店も、浜脇で暮らす人々によって守られている人情深い街という印象があります。情緒豊かなこの浜脇の地で育った女将さんも人情味の溢れる人で、同じ浜脇で暮らす小さな命にも目を向け、旅館周辺に現れる猫を実費で避妊去勢を施しながら、地域猫活動を始めたのが今から20年以上前です。



仔猫がいたり怪我や疾患のある子は保護をして、医療にかけながらお世話を続けてきました。その間、ご縁があれば新たな家族に繋げ、もし譲渡が叶わない子がいても終生守り続けようと、旅館での適切な飼育を心がけ、頭数制限や衛生面など保健所の基準に従い、姉弟で動物取扱業第1種の免許も取得しています。


こうして猫のいる旅館として歩み始めた新玉旅館は、全国的な猫ブームの中、猫と触れ合える「にゃんたま旅館」の愛称でメディアにも度々取り上げられるようになり、次第に知名度を上げていきました。



猫好きな方に知って貰い、全国から宿泊に来て貰えるのは願ったり叶ったりですが、その反面、大きな誤解を生む事態へと発展していく事になるのです。しかもその誤解は根深く、今も解く事ができていません。


「新玉旅館=猫を引き取ってくれる施設」という誤解

猫のいる旅館として有名になればなる程、第三者の猫も引き取ってくれる施設なのだと誤解する人が増え、連日のように猫を保護して欲しい、引取りに来てくれといった問い合わせが来るようになりました。


直接旅館に猫を連れてくる人もいて、保護を請け負う施設では無いと断ると、心無い言葉で暴言を吐かれ無理やり押し付けられたり、また、一時的に預かって欲しいと頼まれそのまま音信不通になったり、更には旅館の前に仔猫を遺棄する犯罪者まで現れるようになりました。




こうして予期せぬ形で猫が増えた事で次第に歯車が狂い始め、順調だった旅館の営業にも支障をきたすようになったのです。しかし目の前にいる猫たちに1ミリたりとも罪はありません。



一部屋に飼育できる頭数には基準があるので、客室を猫部屋に変え、かさみ続けるフード代や医療費は旅館の売上だけでは追いつかず、時には弟さんが旅館業以外にバイトを増やし、時には銀行に借り入れをしながら猫を守り続けました。


新型コロナにより、無責任な気持ちで命に手を出す人々

しかしそこから追い打ちをかけるような試練が襲った新型コロナの感染拡大。新玉旅館は、守らなければいけない沢山の命を目の前に休業を余儀なくされ、収入源を断たれてしまいました。


そんな非常事態の中、世間では誰かと気軽に会う事すらできなくなった日常に、人々はその寂しさやストレスから、外で自由気ままに暮らす猫の姿に目が止まります。その可愛らしい存在に一時的な癒しを求め、安易な餌やりをしては、繁殖させてしまう事態が各地で引き起こってしまう事に。


無責任な餌やりは生態系を狂わせ、縄張り争いによる喧嘩や糞尿被害などで周辺の環境がどんどん悪化していきます。やがてご近所トラブルにまで発展して事態が深刻になると、当然のようにボランティアや新玉旅館の元へ、丸投げ状態で責任転嫁する人達で溢れかえってしまったのです。


この時ほど、命を軽く見た人間の身勝手さや無責任さに怒りや悲しみを覚えた事はありません。悪循環の連鎖は容赦なく襲いかかり、いつも気丈な女将さんでさえ、極限状態まで追い詰められていました。





︎■有志の方による一筋の光

数々の困難が襲いかかる新玉旅館ですが、そんな旅館の窮地を知り、有志の方が助け舟を出してくれました。コロナ禍で困っている旅館の猫を助けたいとクラウドファンディングを立ち上げて下さり、このプロジェクトは大きな反響を呼びました。全国の方から暖かい励ましや応援の言葉と共にご支援を頂き、猫たちを窮地から救ってくれたのです。


今まで一度も寄付に頼った事の無かった新玉旅館。当時どん底まで落ち込んでいた旅館に一筋の光が差し、手を差し伸べ救ってくれた沢山の優しさや温もりに触れ、この時女将さん自身も同じく、尊い命を守り続けたいという使命感と気力を取り戻す大きな転機となりました。


多頭飼育崩壊の猫のレスキュー

旅館の猫たちを助けてくれたご恩に報いるかのように、この当時別府市内で多頭飼育崩壊を起こした猫の救出へと、新玉旅館はコロナ禍で休業している間に現場の協力をしていく決断をする事になります。



崩壊を起こした飼い主の家族には、医療費など金銭面での責任は絶対に持つ事を約束して貰い、女将さんや弟さん、従兄妹さんなどの身内を始め、大分市別府市のボランティアさん総出でチームを組み計画を実行しました。


目を背けたくなる程悲惨な状態だった自宅の環境改善から、猫たちの避妊去勢、怪我や病気の治療、里親募集に至るまで役割分担をして、更に現場で衰弱しきっていた仔猫全頭を女将さんが旅館で預かり、見事に回復させ、新たな家族の元へ送り出してくれたのです。




猫の保護に関わる事20余年、強制的に押し付けられたり、遺棄されたりと、一つの誤解で様々な苦悩を背負ってきた女将さんですが、誰かに責任を押し付けるのではなく、一度でも命に手を出したなら、当事者本人がその命に対し責任があるのだと自覚して欲しい。そうすれば協力できる事は最善を尽くしてくれる女将さんであり新玉旅館です。


これが本当に尊い命を守る姿勢なのだと身をもって教えてくれた女将さん。女将さんがいなければ救えなかった命は数え切れない程となり、それは今も現在進行形で続いています。





そんな女将さんや新玉旅館の偉業に感銘を受けた方々により、善意の輪が更に拡がっていきます。


にゃんたまチャンネル」というYouTubeのチャンネルを作ってくれた有志の方が、そこから支援物資を募ってくれて、沢山の視聴者の方々が物資を送ってくれるようになりました。またライブ配信では、視聴者さんがいつも新玉ニャンズの様子を見守ってくれていて、個々の個性や魅力も引き出してくれるなど、今も尚、新玉旅館を暖かい愛情で支えてくれています。




更に、新玉旅館や保護猫活動の事を幅広い世代の方に知って貰いたいと、親しみやすいアニメキャラクターの制作やグッズ販売などを手掛け、積極的に広報活動を行い貢献してくれているさぶたまパレットさん。




Facebookでは、あらたまにゃんこファンのグループがあって、メンバーの方が様々な形で応援や協力をして下さっています。



かさみ続ける医療費の安定を

そして更に、一時的ではなく継続してご支援金を頂ける事により、猫にかかる医療費を少しでも安定させていきたいと、継続支援型のプロジェクトを立ち上げてくれた方もいます。

それが今回ご紹介する、 にゃんたまサポーターです。





担当は原さんという方で、原さんは、小さなお子さんを育てながら働く若い世代のママさん。忙しい日々の中、新玉旅館の猫たちにも目を向けて下さり、一昨年の春にも一度クラファンを立ち上げてくれて、この時も全国から沢山の方にご支援頂きプロジェクトが成立しました。


その後も継続支援のプロジェクトを引き続き担当してくれて、支援活動に全面的に協力してくれています。


2024年4月現在、60名の方がにゃんたまサポーターになって下さっていて、ご支援金は全て猫の医療費に充てています。皆様のお陰で少しずつ手厚いケアと適切な医療を受ける事が出来るようになってきたそうです。





コロナ禍以前は寄付を募った事がなかった新玉旅館。現在は観光業も活気を取り戻し、宿泊のお客様も戻ってきてくれるようになりましたが、不本意に増えてしまった猫の部屋の確保で客室が大幅に減った為、旅館の売上だけでは賄いきれなくなった今、支援物資に加え、こうして皆様からのお力を継続して貸して頂ける事に本当に助けられていると、女将さんも心から感謝しています。


無責任な人が一定数いる一方で、自分の事の様に心配して下さり、暖かく支えて下さる皆様の存在は本当に心強く、女将さんの今の確かな原動力となっています。




現在、新玉旅館で暮らす猫は80匹いて、相性や年齢、疾患別に10ヶ所のお部屋に分けてそれぞれ暮らしています。出来るだけ新しい家族の元へ繋げられるよう取り組んでいますが、生まれつき疾患を抱えている子も多く、80匹の内、譲渡不可能な子が60匹程となっています。


浜脇の猫を守りたいと始めた個人的な活動だったのが、今では殆どが、浜脇とは違う地区から来た猫となっているのが実状です。





非常識な人により傷つけられながらも、苦悩を抱えつつも、増えていく猫にかける愛情は平等で、皆様に支えられながら様々な試練を乗り越え命を守り続けてくれている女将さん。


しかしそんな女将さん自身も、今は還暦を過ぎて徐々に身体も無理が効かなくなってきています。同じように、旅館で暮らす猫たちも歳を取り、体調を崩しやすくなってきました。




次々に増えてしまった猫のお世話にかかる維持費は膨大で、また、癌や腎臓病など突発的な疾患が発覚して手術や入院が必要になったり、更に歳月とともに高齢猫が増えていく事で、今後は益々医療費の負担が大きくなっていく事が懸念されます。


その上現在も保護依頼の問い合わせは後を絶たず、遺棄の問題など不安は常に尽きません。これらは新玉旅館だけの問題と捉えず、行政や警察との連携を深められる取り組みも進めていきながら、皆様からもご理解ご協力を頂ければと思っています。



プロジェクトの目標支援者の人数は250名、目標金額は35万円とされています。

ご支援は負担の少ない1,000円から始められて、金額は変更したり途中で中断する事も可能なので、無理のない範囲のサポートが出来るのではないでしょうか。


また、サポーターになって下さった方には、毎月新玉ニャンズの可愛い写真と共に活動報告も配信されており、金額によってはリターンとしてグッズ商品の特典があります。


1人では無理な事も、沢山の力が集まればそれが大きな支えとなり、多方面の問題に対応出来るようになると考え、原さんが継続して担当してくれています。


ご関心を寄せて頂ける方には、一度プロジェクトのリンク先に目を通して頂けると大変ありがたく思います。



物価の高騰が進み、厳しいご時世の中恐縮ですが、試練を乗り越えながらこれまで沢山の尊い命を救い続けてくれた新玉旅館です。


その新玉旅館で譲渡が叶わない猫ちゃん達がこの先もずっと安心して暮らしていけるように、そして不幸な猫を増やさない為にも、私達も仲間と共に精一杯支えて参りますので、皆様からのお力も貸して頂きたく、どうかご支援ご協力、よろしくお願い申し上げます。


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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