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ベビーラッシュ

5月半ばの日曜日、同じ地区のボランティアさんと3人で待ち合わせ、私たちの管轄である町内の、民家の片隅で産まれた仔猫を保護する事になりました。

仔猫は4匹。母猫がいてしっかり子育てをしていましたが、仔猫たちは猫風邪が酷く、目の周りが目ヤニに覆われ半分潰れて開かないような状態でした。

近くにはカラスも多く少し危険な状態でもあったので、親身になって相談に乗ってくれたベテランボランティアさんのアドバイスの元、私たちも真剣に話し合い、思い切って母猫から引き離す決断をしたのです。


母猫にフードを与え気を逸らしている隙に、仔猫たちを捕獲しました。

母猫は動物愛護センターの助成金でTNRする予定が、指定された期限日に捕まらず、その後別府市の助成金によるTNRの申請が始まる前に、妊娠出産してしまったのです。仔猫たちはこの時生後約1か月半弱。もう母乳だけでなく離乳食へ移行できるので、風邪を治し、しっかりケアしてあげて里親さんを見つけようという計画になりました。




みんな目ヤニに覆われ、酷い状態です。まずは動物病院へいって健康チェックをして貰いました。

先生に順番に診てもらい、体重を計ると4匹とも500gほどで、メス2匹、オス2匹と性別も判明しました。やはり猫風邪が酷いという事だったので、目薬と飲み薬を処方して貰い会計を済ませると、そのまま新玉旅館へ向かいました。


時を同じくして、女将さんとサポートされているボランティアさんも4匹の仔猫を保護したばかりの状態で、旅館は一気に仔猫8匹が集結する事になったのです。お二人は大変な思いで捕獲してきて疲れているにも関わらず、私たちが保護した仔猫にも、月齢が低くても安全なノミダニ駆除剤を塗りこんでくれて、一匹一匹丁寧に目の周りを拭いて目薬をさしてくれました。

その後、1週間分程のミルク、離乳食、カリカリ、シリンジ等を用意してくれて、安く分けて貰い、私達が保護した猫は、メス猫2匹を私が、オス猫2匹はもう一人のボランティアさんがそれぞれお世話する事になりました。


私はこんな小さな、まだミルクや離乳食が必要な仔猫を育てた事がない為、この時は正直不安で不安で仕方なく、心の準備もできていないままで全く自信がありませんでした。

それでも、女将さんやボランティアのみんなに助けて貰いながら、なんとか頑張ってみようと、手探り状態のお世話がスタートしたのです。


猫風邪は引いているものの、幸い食欲も元気もあって、幼いので警戒心もあまりなく、2匹で仲良く遊びながら徐々に環境に慣れていく仔猫たち。

先住猫2匹と、更に昨年の秋に4匹の兄妹猫を保護したので、現在合計8匹。

どこに行っても猫がいて、只今猫中心の生活です。



オス猫を引き取ったボランティアさんも、先住猫に加えて、沢山の地域猫のお世話や管理もしてくれています。2人で毎日情報交換し励まし合いながら、保護から5日後にもう一度新玉旅館へ行って2度目のノミダニ駆除剤を塗りこんで貰いました。




その後女将さんから目の周りのケアを丁寧に丁寧に施して貰う事に。

私達が目を拭いたり目薬をさそうとすると、コロコロわちゃわちゃ動いて、一向にじっとしていないのに、女将さんの手にかかると、この通り4匹とも微動だにせずじっとしていたのです。

さすが神の手と言われている女将さん。

詳しくは『新玉旅館 女将さん 目パック』などで検索すると、動画や画像が出てきます。


さらに数日後、今度は虫下しを飲ませてくれて、追加の離乳食やミルクも買う事に。

私達ボランティアは、猫を保護したとしても全て実費で行っています。施設や助成金や支援金があるわけでもなく、個人負担で里親さんが見つかるまで自宅でお世話をするのです。このような、女将さんやボランティアさんの助けが無ければ、仔猫たちを手厚くケアし命を守る事は出来ないかも知れません。

こうして皆にサポートして貰いながらケアを続け、少しずつ猫風邪も善くなっていき、この子達の本来の可愛さ美しさが現れてきました。




オス猫のカンちゃん

キジ猫ですが、頭や背中にキジ猫特有の縞模様が無く、まるでタヌキ…いやアビシニアンの仔猫のような珍しい毛色の猫ちゃんです。人懐っこくて、保護主さんにフミフミしながら甘えてくるそうです。殆ど大丈夫ですが、猫風邪が完全に治るまで先住猫とは隔離していて、今は別の部屋で過ごしているそうですが、鳴く事もなくお利口さんにしています。





サバ白のテク君は、早々と里親さんが決まりました。おめでとう!

保護主さんから里親さんに託され、恥ずかしがっている姿が可愛いです。

幸せになってね。





私が保護しているメス猫のミミ

警戒心が全くなく、すぐにゴロゴロいって我が家に馴染んでくれました。

甘えん坊でお転婆で元気いっぱいです。





そしてこの子はメス猫のらら

シャム系交じりの白猫で、青い目が美しく、控えめな性格ですが、食欲旺盛でミミの分まで食べようとする為、この子の方がコロコロ成長しています。

大人になったら、さぞ品のある美しい猫になりそうな予感がします。


姉妹で仲良く過ごしているためか、淋しがって鳴く事もなく本当にお利口さんです。

現在生後2ヵ月、カンちゃん、ミミ、らら。まさしく今一番可愛い時期です。



突然の保護が決まり、不慣れな状態でもあったため毎日が本当に慌ただしく過ぎていきました。ホームページの更新も滞っていましたが、これからゆっくりではありますが再開していこうと思います。


こうして今、ようやく私たちが保護した仔猫たちのプロフィールが出来上がりましたが、女将さんやボランティアさんが同時期に保護した、4匹の仔猫たちのプロフィールが手付かずのままです。しかもその後、更にまた仔猫が見つかり保護したようなので、できるだけ早くプロフィールを作り、里親探しのお手伝いを始めたいと思っています。


今回新たな沢山の仔猫が一気に増え、今まさにベビーラッシュの状態です。

その為、現在女将さんやボランティアさんの手だけでは追いつかない程負担がかかっているようです。

そんな中でも今回、私たちの保護猫の為に惜しみなく手を差し伸べ助けて下さり、沢山アドバイスしてくれた事に本当に感謝しています。


今は譲渡会も開けていない状況なので、ボランティアさん同士で連携し、沢山の方に声掛けをし合いながら、それぞれの仔猫の里親さんを探しているところです。どうか、どの子も家族として、生涯可愛がって頂ける方へと繋がりますように。


ボランティアは、助け合い支え合う事で成り立っていると思っています。

そんな助け合いの支援が広がれば、もっとたくさんの地域猫を救い幸せへと繋げられるのではないでしょうか。

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